民間教育保育等事業者だからこそ考えたい“不適切な行為”との距離感【日本版DBS】

悪意がある人だけの問題ではない
こんにちは。
横浜市旭区の行政書士です。
2026年12月から施行される予定の「子ども性暴力防止法(日本版DBS)」では、児童対象性暴力そのものだけではなく、その前段階となり得る「不適切な行為」についても考えていく必要があります。
「不適切な行為」と聞くと、
「悪い人を排除する制度」
のように感じる方もいるかもしれません。
ですが実際には、悪意のある人だけの問題ではなく、“距離が近い現場だからこそ”境界線が曖昧になってしまうこともあります。
今日は、日本版DBS制度の義務対象となっていない民間教育保育等事業者の
学童保育の現場だからこそ考えたい「不適切な行為」についてお話します。
日本版DBSにおける「不適切な行為」とは?
日本版DBSのガイドラインでは、
「児童対象性暴力には該当しないものの、業務上必ずしも必要ではなく、継続・発展すると児童対象性暴力等につながる可能性のある行為」
が「不適切な行為」とされています。
具体例としては、
- 私的な連絡先の交換
(SNSアカウント・オンラインゲームアカウントを含む) - 私物スマートフォンなどを用いた、ルール外での写真・動画撮影
- 不必要な身体接触
(必要以上に長時間抱きしめる など)
が挙げられています。

出展 こども性暴力防止法施行ガイドラインP-21令和8年1月こども家庭庁
学童保育は「距離の近さ」が特徴でもある
ただ、学童保育の現場では、
「では、どこからが不適切なのか?」
という判断がとても難しい場面があります。
学童は、学校よりも子どもと職員の距離が近いことも多く、
- スタッフの両ひざに乗ってくる子
- 後ろから突然飛びついてくる高学年
- 若手スタッフにだけ恋愛相談をする子
など、日常の中に自然なスキンシップや信頼関係があります。
それは、スタッフの皆さんが積み重ねてきた安心感や信頼の証でもあると思います。
「全部禁止」にすればよい訳ではない
例えば、「不必要な接触」という言葉ひとつを取っても、実際には簡単ではありません。
未就学児をおんぶしたり、お膝に乗せたりすることは、保育・支援上必要な場面もあります。
一方で、
- 特定の子どもだけに偏っていないか
- 周囲から見て閉鎖的な関係になっていないか
という視点は必要になります。
また、愛着面に課題のある子どもの場合、単純にスキンシップを拒否することが、
必ずしも適切とは限りません。
例えば、
- 膝の上ではなく隣に座って安心感を伝える
- 手をつないで落ち着けるよう支援する
- 保護者や職員間で情報共有する
など、“疑いを生まない工夫”をしながら支援する視点も大切なのではないかと思います。
事業所ごとの「マイルール」が大切
だからこそ、それぞれの事業所の中で、
- 何が不適切になり得るのか
- なぜ注意が必要なのか
- 誰に相談・報告するのか
を、職員同士で定期的に話し合うことが重要です。
学童保育は、子どもとの距離が近いからこそ成り立つ支援もあります。
だからこそ、「全部禁止」にするのではなく、
“子どもの安心”と“職員を守る視点”
の両方を持ちながら、現場ごとのルールを整えていく必要があるのではないでしょうか。
その積み重ねが、保護者にとっても、子どもたちにとっても
より安心できる環境につながっていくのだと思います。
事業所ごとのルール作りに悩んだら
日本版DBSへの対応では、
「何を禁止するか」だけではなく、
- 現場で実際に運用できるか
- 子どもの支援として適切か
- 保護者へ説明できる内容か
- 職員を守れるルールになっているか
という視点も大切になります。
特に学童保育は、子どもとの距離が近い支援だからこそ、
一律の対応では整理しきれない場面も少なくありません。
当事務所では、
- 日本版DBSを踏まえた内部ルール整備
- 職員向け研修
- SNS・写真撮影ルール
- 個人情報保護対応
- 保護者向け説明資料作成
など、現場に合わせた形でのお手伝いも行っています。
「どこまで決めればいいのかわからない」
「現場との温度差が難しい」
そんな時は、お気軽にご相談ください。
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義務じゃないから不安―学童から考える日本版DBS。学童保育の研究集会に参加してきました – しんもりなおこ行政書士事務所