【著作権　著作人格権】そもそもどんな物を守ってくれるのですか？

2024年9月5日 2024年9月10日

roiro

こんにちは横浜の行政書士（申請中）のしんもりなおこです。
こちらのブログは美大生へ向けた著作権法の解説を目的としてスタートさせたのですが、
私はわからないジャンルがあった場合はまずは子供向けの解説書を見ることが多いので
こちらの内容も小学生でもわかるように噛み砕いてみようと思います。
著作権については小学校でも教えられたと小４の長女が言っていましたが
気軽に創作の発表の場を作れる今の時代、著作権法は多くの人に知っていてもらいたいルールです。
文章を読んでいて、分かりにくい表現があったらどうぞ教えてください。

では、今日のお話ですが、著作権は保護されるんだよって何度も言っていますが
具体的に保護されるって一体どういう事？何を保護するの？
というお話です。
前回の職務著作のお話の最後に依頼したイラストが自分の会社の著作物だと思って扱った場合どんな問題があるのでしょうか？

と言いましたが、このお話は何を保護するの？のをお話した後の方がわかりやすいと思うのです。

では、表を見てみてください

たくさん出てきましたが、
著作権は２つに大きく分ける事ができます。
著作人格権と著作財産権です。
著作人格権は創作した著作者の思いを保護する権利で、
著作財産権は創作された著作物が利用され、お金のやり取りが必要になる場合の決まり事です。
いっぺんにはお話しきれないので、今日は著作人格権についてお話しします。

著作人格権（著作者の思いを守る権利）

著作人格権には３つの権利があります。
自分の作品を公表するかしないかを自分で決める事ができる公表権（こうひょうけん）
作品を公表する時に自分の名前を表示するかしないかを決める事ができる氏名表示権（しめいひょうじけん）
自分の作品を勝手に変えられない同一性保持権（どういつせいほじけん）です。
それぞれ見てみましょう。

公表権（こうひょうけん）

公表権は自分の未公表の作品を公表するかしないかを自分で決める事ができます。
公表するならどんな形で、いつ発表できるのかを決定できます。
なので、内緒で書いていた物語や漫画を周りの人が勝手に読んだり、他の人に公表したり
してはいけません。という決まり事です。

氏名表示権（しめいひょうじけん）

氏名表示権は作品を公表する時に自分の名前を表示するかしないかを決める事ができます。
表示するならどんな表示にするのかも決める事ができます。
漫画や小説は本名ではなくてペンネームで発表している方がたくさんいますよね。

ただし、著作物の利用目的や使い方によって、著作者の嫌な思いをする事がなく、
常識的に問題ない場合は氏名表示を省略する事ができます。
例えばデパート等のBGMで音楽が流される場合に作曲者をアナウンスする必要は
ありません。

同一性保持権（どういつせいほじけん）

同一性保持権は自分の作品を勝手に変えられない権利です。
同一性保持権は作品そのものだけでなく、そのタイトルも保護します。
「こうするともっと良くなるから！」と思っても周りの人は勝手に作品に手を加えてはいけませんし、
「こっちのタイトルの方が素敵だ」！と思っても勝手にタイトルを変えてはいけないのです。

ただし、作品を変えても同一性保持権侵害（守られない事を侵害と言います）
にはならない場合もあります。それは、

①学校教育上仕方ない時
教科書に昔の小説を載せる場合などです。昔の日本語は旧字体と言い今は使われていない
漢字もたくさんあります。旧字体を今の漢字に変更する場合などは侵害行為とはなりません。
教科書の文字が読めない漢字ばかりでは困ってしまいますよね。

②建築物の増築や修繕など
古い建築物はそのままだと地震が起きたりした時とても危険です。
このような場合がありますので、修繕する行為などは侵害行為とはなりません。
有名はお城があっても、倒れてしまいそうだと見学ができないですよね。

③コンピュータープログラムのバージョンアップなど
パソコンを使っているとシステムに問題が起こり、上手く表示されなくなってしまう事が
あります。その対策としてプログラムの修正やバージョンアップが行われます。
これらの変更も侵害行為とはなりません。
パソコンが使えないままでは困ってしまいます。

そもそもどんな物を守ってくれるんですか？のお話のまとめ

・著作権は著作人格権と著作財産権がある。

・著作人格権は創作した著作者の思いを保護する権利である。

・著作財産権は創作された著作物が利用され、お金のやり取りが必要になる場合の決まり事である。

これらの権利が何も申請せずに創作と同時に発生するなんてすごい事ですよね。
それだけ人の創作は素晴らしい事だと認められているんです。
AIの作る作品も素晴らしいものはたくさんありますが、そこは線引きをされるものなんです。

次回は著作財産権についてお話しさせてください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
また、お会いしましょう。

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