作家・クリエイターこそ遺言書を|作品と著作権を守る相続対策

※2026年5月加筆修正いたしました。
こんにちは
横浜の行政書士のしんもりなおこです。
今日は著作権と相続を絡めたお話です。
私は著作権のお勉強会に参加させていただいているのですが、
そこで聞いたお話です。
ある作家さんが預金口座を預けている銀行で遺言書を作ったそうなのです。
口座をお持ちの銀行で作られたんでしょうね。
銀行で遺言書を作る方も多くいらっしゃいます。
ただ、作った遺言書なので通常の遺言書を作ったそうです。
つまりは通常の財産についての指示書としての遺言書ですね。
作家だって人ですから、ご家族へ自分の作った財産を遺したいと思われるでしょう。
預金、不動産も培った財産ですが、
作家であれば何よりも作品ですよね。
銀行で作った遺言書には作品には一切触れられていなかったそうです。
遺言書の作成などには慣れていらっしゃるでしょうけど、
著作権についてはご存じでは無かったみたいなのです。
怖いな〜と思いました。
著作権の「財産権」は、特別な手続きをしなくても相続されます。
ただし、著作権には少し特殊なルールがあります。
著作権が複数の共有状態になると、
共有者全員の許諾がなければ著作権を行使できないのです。
(久しぶりにねこ田さんご一家の出番です)
つまりは遺言書がない状態でちゃたさんの相続が起こった場合
相続人は配偶者のゆきさん、お子さんのみけさんという事に
なります。

しかし、配偶者のゆきさんとお子さんのみけさんとが連絡がつかない状態で
その作品を原作にした映画化の提案があったとしても
実現できない=著作物の権利行使(利用許諾など)が
適法に行えなくなってしまうのです。困ってしまいますね。
ただし、正当な理由がない場合は同意を拒み、また同意の成立を妨げる事はできません。
=イジワルで権利行使をジャマしちゃだめ!という事です。
(差し止め請求や損害賠償請求は単独でも行うことは可能です)
相続人は配偶者のゆきさんと、お子さんのみけさんになります。
ゆきさんとみけさんの間で話合ができれて誰がその作品を相続するか?という決定が
されればいいのですが、
もし、ゆきさんとみけさんの間で連絡が取れなくなってしまった場合、
著作権も共有状態になります。
作品の利用許諾などの手続きは適法に行えなくなる可能性があるのです。
困ってしまいますね。
もっとも、話し合いができる状態でも、
正当な理由がないのに同意を拒んだり、権利行使を妨害したりすることはできません。
つまり、
「イジワルで著作権の利用をジャマしちゃだめ!」
ということですね。
(なお、差止請求や損害賠償請求は単独で行える場合があります)
トラブル② 著作権の存続期間
無名で発表した作品の実名登録は本人または遺言書で指定された人にしか
許可されていません。
実名登録か、無名登録かで著作物の存続期間は大きく変わってきますが、
実名を公表するか否かは人格権の部分です。相続人だから!というだけでは
実名登録できないんですね。
存続期間が違うとどんな事が起きるのか?と言いますと
存続期間は無名の場合は発表から70年
実名の場合は死亡から70年です。
西暦2060年に80歳で亡くなったマンガ家さんが
西暦2000年に20歳で発表した作品として考えると
無名発表だと2070年まで
実名だと2130年までが保護期間となります。
この間60年。
もしもその漫画から人気キャラクターが生まれていたら?
どのような利用がされるかコントロールがしにくくなりますし
利用料も相続人は受け取る事はできませんね。
こんなトラブルに陥らない為には事前に
著作物に関しても対応した遺言書の作成と、著作物の登録をして、
著作物が共有にならないようにしましょう。
仲の良い家族が仲の良い家族であり続ける為にも
遺言書の作成をしてご家族と作品を守る御検討をしていただければと思います。
銀行も、もちろん遺言書の作成は慣れているかと思いますが、
作家、クリエイターの方は是非専門家へ一度ご相談いただければと思います。
著作権の登録手続き | 文化庁
↓著作権存続期間のお話
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