【著作者と職務著作】誰が作品を作ったのか？

2024年9月4日 2024年9月9日

roiro

こんにちは横浜の行政書士としてもうじき登録されるはずのしんもりなおこです（紹介が長いです）

今日は著作物を作った人は誰になるのか？
というお話です。
謎かけみたいな言い回しですね。
作品を作ったのは私なんだから、私に決まってるでしょ！
と言いたくもなるのですが
何事にも例外があるのです。

著作者（ちょさくしゃ）って誰でしょう

まず、著作者というのは著作物を創作する者
というのが著作権法上の定義です。
当たり前ですよね。
画家や、作曲家や小説家のようなプロが創作した物であっても、
素人や子供が創作した物であっても著作物です。
上手！とか下手！！とか芸術的な価値とかは関係ありません。
私は大学の時授業で一眼レフカメラで撮影して、
フィルムを自分で暗室で焼いたりしましたが。
一眼で撮影したフィルム写真も、私のスマホに残っている写真も著作物なのです。
そして、創作と同時に著作者となります。何も手続きは要りません。

スマホで写真を撮る度に私は著作者になっていますし、
お絵描きをする度に娘達も著作者になっています。
毎日世界中で大量の著作物が生まれていますね。
色んな人が絵を描き、歌を歌います。
ただ、動物が描いた絵をテレビの番組で見たことがありますか？
動物は著作者とはなれず、動物の描いた絵も著作物とはならないのです。

最近ではAIによって作品を作ったりすることもできるようになりましたが、
細かな指示出しを人間がした結果出来上がった著作物は指示出しをした人の
著作物となりますが、「作成」ボタンをポチッ！と押しただけでは
著作物として認められ無いそうです。
とはいえ、どこからどこまですれば著作物として認められるのか？
については今もまだ話し合いをしている最中なのです。

では、お仕事の依頼を受けて作成した著作物の著作者は誰になるのでしょうか？
また、お仕事として取り組んだ著作物の著作者は誰になるのでしょうか？

職務著作（しょくむちょさく）ってなんでしょう

著作者となるのは実際に創作活動をする人です。
ですが、創作活動をする本人以外が著作者となる場合もあるのです。
それが先ほどの、お仕事として取り組んだ場合の著作物です。
新聞記者が書いた新聞の記事や
会社の報告書や
社内のイベントの為に会社員が作ったポスター等です。
これらは会社や、役所（地方公共団体）などが著作者ということになり、
職務著作（しょくむちょさく）と言います
しかし、会社や、役所（地方公共団体）の人が作った著作物の全てが
職務著作になるかというとそういう訳ではなく職務著作となるルールがあります。
それは
１　その会社等の指示によって創作すること。（会社が作れと言った）
２　その会社等の業務をする人が創作すること。（その会社に関わる人が作る）
３　その会社等が自社の名義で公表すること。（その会社の名前で発表する）
４　作成の時の契約や勤務規則で別段の定めがない。（規則で「著作物の著作者は従業員にする」など決めてない）
この条件を全て満たしているとその会社のが著作者となり職務著作となります。
ただし、プログラムの著作物の場合は「３　会社の名前で発表する」を満たさなくても
職務著作となります。
※プログラムは色んなところで活躍していて、身近なところだと洗濯物や炊飯器にでも
活躍しています。その洗濯物や炊飯器中で使われるプログラムは会社の名前で発表していなくてもその会社の職務著作となりますよ　という事です。　