2024年11月から始まるフリーランス新法をご説明します。

こんにちは
横浜の行政書士のしんもりなおこです。
今年の11月から新しくフリーランス法案(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)
がスタートします。
今日はこちらの法律についてお話しいたします。

CHO

フリーランス法なんて
フリーランスの人が守らなければいけない法律って事?
なんか嫌だな〜

しんもり

イヤイヤ、違うんだ!
フリーランスの人が守らなければならない法律じゃなくて
フリーランスの人を守る為の法律なんだよ。

フリーランス法案の目的は?

ここ数年、多くの働き方の選択肢が増えて来ましたよね。
副業を薦める会社も増えてきて、フリーランスというスタイルを選ぶ方たちも
多くいらっしゃいます。
そうなってくると、その多くのフリーランスで働く方を保護必要が出て来ました。
なぜでしょうか?
お仕事を依頼される側のフリーランスの方達とお仕事を依頼する企業側だと
どうしても企業側がパワーバランスが偏ってしまい、フリーランスの方達が
不利になってしますシチュエーションが出てきてしまったんですね。

・「もうちょっと納期を早められない?」
・「ついでにコレも作ってよ!」
・「悪いんだけどもう少し値段下げられないかな〜?」
・「報酬の支払い、もう少し待ってくれないかな〜?」

な〜んて契約と全く違う事を依頼側から言われてしまったら。とっても困るでしょうけど
引き受けてしまう方もいるかもしれません。
そもそも口頭のお願いだけでお仕事の依頼をされて
「アレ、正式に依頼されたお話しなのかな〜?」なんて事もありますよね。
実は私は何度もこのパターンあります。『ちょっと絵を書いてよ!』みたいな感じです。

で、この法案はそんな困った状況を改善する為にお仕事を依頼する側が
守るべき決まり事なのです!

CHO

な〜んだ!ならフリーランス側は気にする必要ないじゃない♪

しんもり

そんなワケはないでしょう?
自分がどんなルールに守られているか分からなければ
もし、相手がルール違反をしていても気付けないんじゃない?

フリーランス法案の内容

フリーランス法案の決まり事には
お仕事をお願いする委託期間によって守らなければならないルールが変わってきます。

1ヶ月以上の委託期間では取引を適正にする為の決まり事
6ヶ月以上の委託期間では働く環境を整える為の決まり事があります。

取引を適正にする為の決まり事には
2つの義務(やらなければならない事)と7つの禁止事項(やってはいけないこと)があり
働く環境を整える為の決まり事には4つの義務(やらなければならない事)があります

取引を適正にする為の決まり事

やらなければならないこと①
書面やメールで取引条件の明示をする。
お仕事の依頼などは口頭での約束ではダメ!ちゃんと目に見える形でお知らせしましょうって事です。
お知らせしなければならない内容は
①お仕事(給付)の内容
②お支払いの金額(報酬の額)
③この日までにお支払いをします!という日にち(支払期日)
④誰が、誰にお仕事をお願いするのか?という内容(業務委託事業者・フリーランスの名称)
⑤お仕事を依頼した日(業務委託をした日)
⑥お仕事の締め切りの日、またはお仕事の日(給付を受領する日/役務の提供を受ける日)
⑦お仕事の品を受け取る場所、またはお仕事の場所(給付を受領する場所/役務の提供を受ける場所)
⑧(検査をする場合)検査完了日
⑨(現金以外の方法で報酬を支払う場合)報酬の支払方法に関して必要な事
です。
フリーランス同士の依頼だと発注側が取引条件を明示する必要があります。

飲みの席とか談笑の間の依頼はどこまで本気か分かりにくいですよね。
言われた側は
「あれは社交辞令かな〜。本気かな〜」って悩むと思うんです。
もし悩んでしまったら言われた内容をまとめてメールで聞いてしまうのが
一番手取り早いです。
『あなた、こんな事を言ってましたけど、動き出しちゃっていいですか〜?
○月△日迄に連絡してくれないとこのお話はなかった事にするからね〜』と
モヤモヤしている時間は勿体無いですから。
こちらのもっと具体的な文案を知りたい方はどうぞお問合せかラインでご連絡ください。

しんもり

これから先「不当」というフレーズが沢山出てきます。
「不当」というのは
「違法」=法律に反する訳ではないかもしれないけど、
正当や妥当、適当でないこと、または道理にはずれることを言います。



やらなければならないこと

報酬のお支払いの期日を定める

お仕事の報酬の支払期日は
発注した物品等を受け取った日から60日以内のできるだけ早い期間で定め、
その期日までに支払う必要があります。

7つのやってはいけない事(禁止事項)

①お仕事の成果物を受け取る事を拒んではいけません受領拒否)
フリーランス側は悪くないのに注文した物品または情報成果物の受領を拒むこと

②決めた報酬を減らしてはいけません(報酬の減額
定めた報酬を後から減額すること。フリーランス側の合意があってもダメです

③一旦受けとったお仕事の成果物を返してはいけません。(返品)
受け取った物品を返品すること

④報酬額を、周りと比べて不当に安くしてはいけません(買いたたき)
類似品等の価格または市価に比べて、著しく低い報酬を不当に定めること

⑤「お仕事の為」と言って何かを無理に買わせたりしてはいけません(購入・利用強制)
指定する物・役務を強制的に購入・利用させること

⑥「お仕事の為」と言って不当にお金を出させたり、働かせたりしてはいけません。不当な経済上の利益の提供要請)本来のお仕事とは関係ない所で金銭、労務の提供等をさせること

⑦決めたお仕事内容を一方的に変えたり、やり直させてはいけません(不当な給付内容の変更・やり直し)
費用を負担せずに注文内容を変更したり、または受領後にやり直しをさせること

働く環境を整える為の決まり事

続いて働く環境を整える為の決まり事には4つの義務(やらなければならない事)があります。
この決まり事は6ヶ月以上の委託の場合に適応されます。

やらなければならない事① 募集の情報は正確に表示する

フリーランスの募集広告をする際には、募集情報を正確かつ最新の内容に保ち、
虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはいけません。

やらなければならない事② 育児や介護をする人はお仕事との両立ができるように配慮する

6か月以上の業務を委託している場合、フリーランスが育児や介護などとお仕事を両立できるよう、
必要な配慮をしなければなりません。
6か月未満の業務を委託している場合も配慮するよう努めなければなりません。

やらなければならない事③ ハラスメントへの対策に関する体制を整備する

ハラスメントによりお仕事の環境が害されることがないよう、

相談対応のための体制整備などをしれければなりません。
例えば
・従業員にハラスメント防止のための研修を行う
・ハラスメントに関する相談の担当者を設けたり、外部への対応を委託する
・ハラスメントが発生した場合には、迅速、正確に事実関係を把握する。などです。

やらなければならない事④ 中途解除等の事前予告・理由開示

お仕事を辞めていただく場合や、契約を更新しない場合は、少なくとも30日前までに、
①書面②ファクシミリ③電子メール等による方法でその旨を予告しなければなりません。
やっぱりここでも口頭ではダメ!ってことですよね。
また、予告がされた日から契約が満了するまでの間に、フリーランスが解除の理由を聞いてきた場合、
同様の方法(やっぱり口頭はダメ)により説明しなければなりません。

もしも、違反したらどうなるの?

発注事業者は行政の調査を受けることになり、
指導・助言や、必要な措置をとることを勧告されたり、
勧告に従わない場合には、命令・企業名公表、
さらに命令に従わない場合は50万円以下の罰金が科されます。

CHO

なるほどね〜
契約書をしっかり用意するって事が大切だね。
今のうちから準備できる事もありそうだね。

しんもり

そうだね。
依頼をする人も、依頼を受ける人もルールを知っておくことが大切だね。
契約書を見るのが苦手な人もいるけど、大切なことが書いてあるから
きちんと見ないとね。

契約書は作成する事も中身をしっかり読み込むのはとても大変な事です。
おかしな点を見つけるのはさらに大変なのでご自身で契約書を作ってみる。
というのも一つの方法です。
自分で作りたいけど手伝って欲しいな。
内容のチェックだけでもして欲しい。
そんな方がいらっしゃればどうぞご連絡ください。
デザイナー、クリエイターの方は特に著作権の管理の観点からも
お話しさせていただきます。

公正取引委員会の特設サイトがとてもわかりやすかったので
リンクを貼っておきます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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