著作権の存続期間について②
roiroこんにちは
横浜の行政書士のしんもりなおこです。
著作権の存続期間についてもう少しお話をしたいと思いながら
随分と日が経ってしまいました。
今回はディズニーについてのお話を著作権の観点からお話ししたいな
と思いますのでディズニー好きな方はご覧ください。
著作権が切れた作品を「パブリック ドメイン」と言います。
パブリックは「公の、みんなの」ドメインは「領域、場所」という意味です。
「みんなのもの」という意味ですね。
このパブリックドメインになった後でも気をつける必要があるよ。
というお話しです。
前回のお話で1928年に「蒸気船ウィリー」に登場した
ミッキーマウスの著作権は2023年12月31日で切れました。というお話しをしました。
1928年から2023円ですよ。計算してみて下さい。
95年間の保護期間でした。
95年？？保護期間は70年じゃないの？？
と思った方、良い記憶力ですね。
アメリカで最初に成立した著作権法は、保護期間を「14年間」でした。
そこから何度も法改正を繰り返して著作権保護期間延長を経て、
2024年1月1日、ついにパブリックドメインとなったのです。
日本における著作権の保護期間は現在７０年ですがこれも
2018年のTPP（環太平洋パートナーシップ）協定からでそれまでは50年でした。
現在多くの国では保護期間は70年ですが、国によってはもっと長い期間を定めている国も
あるのです。
でも、ウィリーは著作権が切れているんでしょ！
と言っても日本においてはそうも言えない一面もあります。
日本には特定の国の、特定の期間に作られた著作物を保護期間延長しなければ
ならないという決まり事があるのです。
この決まり事を「戦時加算」と言います。
まさにここにある戦いとはまさに第二次世界大戦です。
戦争の責任は続いているのです。
戦争中、日本は戦争相手の著作物を守ろうとはしませんでした。
なので、戦争期間分を著作権の存続期間に延長する「戦時加算」という義務を負って
いるのです。
約10年の加算義務が生じる戦時加算ですが、しかも相手の国によって延長期間も異なり
ます。アメリカへの加算日数は3794日です。
この他にも様々な考えが相まって、日本における
ミッキーマウスの著作権は、2052年まで生き残る可能性もあるそうです。
そして、もしミッキーマウスの著作権が切れたとしても、
自由に利用できるわけではありません。（ええ？？）
ミッキーマウスをはじめとしたキャラクラー達は著作権法以外の法律にも
守られているのです。マークやデザインとして使うと商標権侵害や不正競争防止法違反
にあたる可能性が出てくるのです。
これはミッキーマウスに限った話ではなく著作物は他の法律でも守られます。
商標権は登録する事が必要ですが不正競争防止法は登録がありません。
なので著作権が切れているからといって何をしても良い。ということでは無いのです。
使おう！と思った著作物があれば、その著作物を管理している機関の有無を
確認してみて、考え方を知っておくと安心ですね。
