【著作権の存続期間】いつまで守ってくれますか？

2024年9月19日 2024年9月19日

roiro

こんにちは
横浜の行政書士のしんもりなおこです。
ようやっと私の長々しい名前の前置きが取れました。

さて、前回二次的著作物のお話の最後に著作物の存続期間の事に触れました。
これは著作物はいつまで守られるのか？
というお話です。

著作権はなんの申請も無く権利が発生するのにその保護期間に終わりがあるなんて
不思議だなって最初は思いました。
人の著作物は勝手に使用してはいけません。
でも、ずっとそのままでは素敵な作品を有効活用できないので
保護期間が定められているのです。
例えば保護期間の切れた小説は青空文庫というサイトで自由に閲覧ができます。
2024年には蒸気船ウィリーで知られる一番最初のミッキーマウスが著作権の保護が切れることで
大きなニュースになりました。

この保護期間はどのような国の、どのような人の作品かによって保護期間が変わってきます。
有名な人の作品が保護期間が長くて、素人だから短いと言うわけではありませんよ。

日本では著作権の保護期間の基本は７０年

日本の著作権は７０年間保護されます。
これは、2018年の12月30日に始まった決まり事で、それまでは保護期間は50年でした。
では、いつから70年なのでしょう？
作った時からでしょうか？
発表した時からでしょうか？

答えは場合によるのです。

実名で公表した場合（公表した人が誰だかわかる場合）

例えば、本名で作品を発表した人の場合は、著作権の保護期間はその人が亡くなった次の年から７０年です。
（2024年に亡くなった方の場合は2025年から70年という事で2094年の12月31日まで）
著作権の保護は創作と同時に始まりますので、本名で作品を発表した人が2000年に作品
を発表していた場合は2000年から2094年まで保護されるんです。

ペンネームや名前を出さずに公表した場合（公表した人が誰だかわかる場合）

でも、本人が誰かわからないペンネームで作品を発表した場合は、
著作権の保護期間はその作品を発表した次の年から７０年です。
なぜなら、その人がいつ亡くなったのか誰もわからないからです。
作品を発表したのが2000年だとしたら2070年まで保護されるということになります。

もしも、ペンネームで発表していても、このペンネームを使っているのが
誰かわかる場合はその人が亡くなった次の年から７０年という事になります。

その他には
●何人かで一緒に創作をした場合は一緒に創作した人のうち最後に亡くなった人が
　亡くなった次の年から７０年が保護されて、
●会社や学校の団体の名前で公表された場合はその作品を発表した次の年から７０年です。

著作者が亡くなった後は何を保護するの？

著作権には著作人格権と著作財産権があるというお話を前にしましたね。
覚えてますか？
著作人格権は著作書の思いを守る権利で
著作財産権は著作物が実際に利用される際に発生するお金の決まり事でした。

著作権財産権はお金にまつわる権利なので、著作者が亡くなった後も、その権利を
守られる必要があります。
では著作人格権は？
著作人格権はその著作者だけの物です。誰にも譲れません。
なのでその著作者が亡くなると著作人格権も無くなります。

でもね、例えその著作者が亡くなっていたとしても
その著作者の思いを踏みにじる様なことが許されるか？
というと、そんな事はありませんよね。
あまりにひどい事をされた場合は亡くなった著作者の家族の方達から
訴えられてしまうかもしれません。
「訴えられたらイヤだから」という理由だけではなくて、一生懸命創作をした人へは
その人が生きてても、亡くなっていても大切にする気持ちを持ち続けて欲しいな
と思います。