【相続と廃除、欠格のお話し】ク・ハラ法案について調べてみたこと

相続と遺留分のお話し(ネコ田さん家の場合)

こんにちは横浜の行政書士のしんもりなおこです。(もうじき登録できるはず) 前回ネコ田さん家の相続のお話しをしましたが、もし、家族が生前に特定の方に自分の財産をあ…

こんにちは横浜の行政書士にもうじき登録されそうなしんもりなおこです。

昨日、韓国にて「ク・ハラ法案が成立した」とのニュースがありました。

私は韓流スターやアイドルの方達に疎く、KARAもク・ハラさんもわかっていないのですが、
「この綺麗な女性が亡くなってなんで法律が成立したの?」という素朴な疑問からこちらの法案を調べてみました。

ク・ハラさんが幼少の頃家を出てしまった母親がハラさんが亡くなった後相続の場に現れて自身の相続権を求めた。

という出来事があったというのが事の発端なのですね。
実のお兄さんが母親へ相続するのを拒むため請願して4年かけて成立したそうです。

こちらを見て相続法で学んだ日本の相続欠格と廃除って近しい制度ではなかったかしら?
と改めて調べて比較してみました。

 相続欠格・廃除(日本)とは?

相続欠格や相続廃除は、相続人が特定の行為を行った場合に、その相続権を失う規定です。

相続欠格

  • 対象 全ての推定相続人
  • 発生効果 特定の行為(例: 殺人や詐欺行為)を行った場合、相続権を失うとされています。
  • 代襲相続(自分の相続権は無くなるけど、その権利は子や孫に引き継がれること)は可能

相続廃除

  • 対象 遺留分を有する推定相続人(なので兄弟姉妹は対象外)
  • 相続人が被相続人に対して重大な非行(例: 暴力や虐待)を行った場合に、その相続権を剥奪する手続き。
  • 被相続人が自らの意思で家庭裁判所に申し立てて、相続人を廃除することができます。
  • 代襲相続は可能

 ク・ハラ法案とは?(韓国)

大雑把に言って仕舞えば
「子供や親に対する養育や扶養の義務に反したり、虐待などの行動を犯した場合には相続権を制限すること」
を定めた法律で「育児放棄したら実の親でも遺産はあげないよ」という内容だそうです。
実際に施行させるのは2026年の1月からの予定だそうです。

韓国においても相続欠格、相続廃除は日本と要件の定めの差はあれど制度自体はあるそうですが、
母親が殺人を犯した訳ではなく、生前に被相続人(ハラさん)が廃除の手続きをしていなければ
母親は法定相続人のままという事になります。
育児放棄した家族に相続させたくないと考えるのは心情的には当然かなと思います。

日本においてはク・ハラ法に該当する制度は存在しないので上記の相続欠格や相続廃除の制度を利用する
事になります。

介護をしなかった親の相続権を求める。というのも辛い話ですが、
養育しなかった子供の子の相続権を求めるというのは本人に色んな事情があったとしても
居た堪れない話だなと思いました。

ハラさんが亡くなって5年が経ったそうです。
彼女の死に母親が関わらなかったとしても周囲の人にとっては追い討ちのような辛い出来事だったでしょう。
成立して本当によかったですね。

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