【相続・遺言と廃除、欠格のお話し】ク・ハラ法案について調べてみたこと

2026 年加筆修正 現在は行政書士登録されていますす。
こんにちは横浜の行政書士にもうじき登録されそうなしんもりなおこです。
昨日、韓国にて「ク・ハラ法案が成立した」とのニュースがありました。
私は韓流スターやアイドルの方達に疎く、KARAもク・ハラさんもわかっていないかったのですが、
「この綺麗な女性が亡くなってなんで法律が成立したの?」
という素朴な疑問からこちらの法案を調べてみました。
調べてみると、この法律の背景にはとても切実な相続問題があったことを知りました。
韓国のアーティストク・ハラさんが幼少の頃家を出てしまった母親がハラさんが亡くなった後
相続の場に現れて自身の相続権を求めた。
という出来事が社会的な議論となりました。
実のお兄さんが母親へ相続するのを拒むため4年かけて制度改正を求めて請願を行い、
長い議論を経て成立したのが「ク・ハラ法」と呼ばれる制度です。
このニュースを見た時、日本の民法にある「相続欠格」や「相続廃除」という制度に少し近い考え方なのではないかと思い、改めて調べ直してみました。
相続欠格・廃除(日本)とは?
日本にも、一定の場合に相続権を失う制度があります。
相続欠格や相続廃除は、相続人が特定の行為を行った場合に、その相続権を失う規定です。
相続欠格
相続欠格とは、相続人が重大な違法行為を行った場合に、
法律上当然に相続権を失う制度です。
例えば、
- 被相続人を故意に死亡させた
- 遺言書を偽造・破棄した
- 詐欺や脅迫で遺言を書かせた
などが該当します。これは本人の意思ではなく、
法律によって相続権を失う点が特徴です。
相続廃除
一方、相続廃除は、被相続人本人の意思によって行う制度です。
例えば、
- 長年にわたる虐待
- 著しい侮辱
- 深刻な非行
などがあった場合に、家庭裁判所へ申立てを行い、
その相続人の権利を失わせることができます。
ただし、廃除できる対象は「遺留分を持つ推定相続人」に限られるため、
兄弟姉妹は対象になりません。→遺留分のお話
また、相続欠格・相続廃除のどちらも、代襲相続が認められる点は共通しています。
生前に本人が申し立てを行うか、遺言書で廃除の指示を行います。
ク・ハラ法案とは?(韓国)
大雑把に言って仕舞えば
「子供や親に対する養育や扶養の義務に反したり、虐待などの行動を犯した場合には相続権を制限すること」
を定めた法律で「育児放棄したら実の親でも遺産はあげないよ」という内容だそうです。
実際に施行させるのは2026年の1月からの予定だそうです。
韓国においても相続欠格、相続廃除は日本と要件の定めの差はあれど制度自体はあるそうですが、
母親が殺人を犯した訳ではなく、生前に被相続人(ハラさん)が廃除の手続きをしていなければ
母親は法定相続人のままという事になります。
育児放棄した家族に相続させたくないと考えるのは心情的には当然かなと思います。
韓国の「ク・ハラ法」とは?
韓国で成立した「ク・ハラ法」は、簡単に言うと、
「養育義務や扶養義務を著しく果たさなかった親族について、
相続権を制限できるようにする制度」です。
つまり、
「子どもを育てなかった親が、後になって相続だけを主張することへの違和感」
に向き合った制度とも言えるかもしれません。
韓国においても相続欠格、相続廃除は日本と要件の定めの差はあれど
制度自体はあるそうですが、
ただ、母親が殺人を犯した訳ではなく、生前に被相続人(ハラさん)が
廃除の手続きをしていなければ母親は法定相続人のままという事になります。
育児放棄した家族に相続させたくないと考えるのは心情的には当然かなと思います。
「ク・ハラ法」の無い日本ではどうするか?
日本では、親による養育放棄だけを理由に当然に
相続権を失わせる制度は現在のところ存在していません。
そのため、対応するとすれば「相続廃除」の利用が考えられますが、
被相続人が生前に手続きをしておく必要があります。
相続は「法律」だけでは割り切れないこともあります
相続のご相談を受けていると、
「法律上は権利がある」
けれど、
「気持ちとしては納得できない」
という場面は少なくありません。
特に、長年関わりがなかった家族との相続は、
法律だけでは整理しきれない感情が残ることもあります。
だからこそ、元気なうちに
- 誰に何を残したいのか
- どのように財産を承継したいのか
- どんな想いを伝えたいのか
を整理しておくことは、とても大切なのだと思います。
遺言書は「財産の分け方」だけでなく、残される家族へのメッセージにもなります。
今回のニュースを通して、改めて相続制度について考えさせられました。
→遺言書のお話
介護をしなかった親の相続権を求める。というのも辛い話ですが、
養育しなかった子供の子の相続権を求めるというのは本人に色んな事情があったとしても
居た堪れない話だなと思いました。
ハラさんが亡くなって5年目の法成立となりました。
彼女の死に母親が関わらなかったとしても周囲の人にとっては追い討ちのような
辛い出来事だったでしょう。
成立して本当によかったですね。