作家・クリエイターの遺言書作成は専門家へご依頼ください。

こんにちは
横浜の行政書士のしんもりなおこです。
今日は著作権と相続を絡めたお話です。

私は著作権のお勉強会に参加させていただいているのですが、
そこで聞いたお話です。

ある作家さんが預金口座を預けている銀行で遺言書を作ったそうなのです。
口座をお持ちの銀行で作られたんでしょうね。
銀行で遺言書を作る方も多くいらっしゃいます。

ただ、作った遺言書なので通常の遺言書を作ったそうです。
つまりは通常の財産についての指示書としての遺言書ですね。
作家だって人ですから、ご家族へ自分の作った財産を遺したいと思われるでしょう。
預金、不動産も培った財産ですが、
作家であれば何よりも作品ですよね。

銀行で作った遺言書には作品には一才触れられていなかったそうです。
遺言書の作成などには慣れていらっしゃるでしょうけど、
著作権についてはご存じでは無かったみたいなのです。
怖いな〜。

著作権の財産権は手続きなくても承継されますが、
著作権には特別ルールがあり、著作物が共有されている場合は共有者全員の許諾が
なければ著作権が行使できません。
(久しぶりにねこ田さんご一家の出番です)
つまりは遺言書がない状態でちゃたさんの相続が起こった場合
相続人は配偶者のゆきさん、お子さんのみけさんという事に
なります。

相続図


しかし、配偶者のゆきさんとお子さんのみけさんとが連絡がつかない場合などは
著作物の権利行使(利用許諾など)が適法に行えなくなってしまうのです。
困ってしまいますね。
ただし、正当な理由がない場合は同意を拒み、また同意の成立を妨げる事はできません。
=イジワルで権利行使をジャマしちゃだめ!という事です。
(差し止め請求や損害賠償請求は単独でも行うことは可能です)

また、無名で発表した作品の実名登録は本人または遺言書で指定された人にしか
許可されていません。
実名登録か、無名登録かで著作物の存続期間は大きく変わってきますが、
実名を公表するか否かは人格権の部分です。相続人だから!というだけでは
実名登録できないんですね。

こんなトラブルに陥らない為には事前に
著作物に関しても対応した遺言書の作成と、著作物の登録をして、
著作物が共有にならないようにしましょう。

仲の良い家族が仲の良い家族であり続ける為にも
遺言書の作成をしてご家族と作品を守る御検討をしていただければと思います。
銀行も、もちろん遺言書の作成は慣れているかと思いますが、
作家、クリエイターの方は是非専門家へ一度ご相談いただければと思います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です